建築物省エネ法の改正まとめ | 株式会社1000NEXT|省エネ計算の届出・適判/避難安全検証法/パース制作/CASBEE/性能評価

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建築物省エネ法【改正】について

01. 適合義務の範囲が広がります

300m²以上の建築物に省エネ計算が必要になります

300m²以上の非住宅に適合義務が拡大され300mm²未満の建築物に説明義務が新設されました。

①省エネ基準への適合義務制度の対象が、300m²以上の非住宅建築物に拡大されます。

300m²未満の小規模住宅・建築物について、建築士から建築主への省エネ性能に関する説明が義務づけられます。

※施行は内容ごとに6カ月から2年以内に順次行われていきます。

建築物省エネ法改正後の対象物件表

※住宅を大量に供給する大手住宅事業者を対象に、目標年度を示した上で、トップランナー基準(省エネ基準を上回る基準)の達成を誘導する制度

300m²以上の非住宅が適合義務化

オフィスビル等に対する措置

①省エネ基準への適合義務制度の対象を300m²以上の中規模建築物に拡大

・省エネ基準への適合を建築確認の要件とする建築物の対象が2000m²以上から300m²以上に拡大されます

公布日:2019/5/17から2年以内に施行
②性能向上計画認定制度(容積率特例制度)の対象に、複数の住宅・建築物の連携による取り組みを追加

・新築等の計画が誘導基準に適合する場合に所管行政庁の認定を受けることができる制度。認定を受けた場合には、省エネ性能向上のための設備について容積率を緩和する

公布日:2019/5/17から6ヶ月以内に施行
建築物省エネ法改正後の対象物件表 適合義務

戸建住宅等に対する措置

戸建住宅等に対する措置

①建築士から建築主に対する省エネ性能の説明義務制度を創設

・小規模の住宅・建築物の新築等の際に、設計者(建築士)から建築主への省エネ性能に関する説明を義務付けることにより、省エネ基準への適合を推進する

※分譲住宅・賃貸住宅の売主・仲介業者等に対して購入者・賃貸人への説明を義務付けるものではない

※建築主が説明を希望しない意思を書面で表明した場合、説明不要

公布日:2019/5/17から2年以内に施行
②住宅トップランナー制度の対象に注文戸建住宅・賃貸アパートを供給する大手住宅事業者を追加

・注文住宅:年間300戸以上、賃貸アパート:年間1000戸以上供給する事業者が対象

公布日:2019/5/17から6ヶ月以内に施行
建築物省エネ法改正後の対象物件表 説明義務

省エネ届出の提出期限が緩和されます

マンション等に対する措置

①民間審査機関による評価書を提出する場合、届出期限を着工の3日前に短縮

・省エネ基準への適合確認を民間審査機関を活用し、省エネ基準に適合しない新築等の計画に対する指示・命令等を強化する

※民間申請機関による評価書は住宅性能評価書等を想定する

公布日:2019/5/17から6ヶ月以内に施行 省エネ届出が着工日の3日前になる仕組み
建築物省エネ法改正後の対象物件表 説明義務

02. 地方公共団体による省エネ基準強化

地方公共団体が条例で省エネ基準を強化できるようになります

公布日:2019/5/17から2年以内に施行
1.現状

全国を8つの地域に市町村単位で区分し、各地域の気候等を踏まえ、
地域ごとに基準値を設定している。

省エネ計算地域区分
2.改正概要

・地方公共団体が条例で省エネ基準を強化できるようになり、同一市町村内に平野部と山間部が存在するケースで、(暖房負荷の大きい)山間部について省エネ基準を強化したい場合等に活用できる。

・省エネ基準が強化された場合は、適合義務・届出義務・説明義務の各制度に適用される可能性があるため、設計段階で建設地の基準が強化されているかどうかの確認が重要

・国が地方公共団体に対し、アンケート調査を実施し、基準強化の想定事例の収集を行う

03. 容積率特例と省エネ街区形成事業

容積率特例が省エネ設備の集約設置をカバーします

1.現状

・現行の容積率特例は単棟の住宅・建築物の連携による取組を想定しており、複数の住宅・建築物の連携による取り組みに置いて高効率の省エネ設備が集約設置される住宅・建築物については、容積率特例を十分に受けられない。

高ジェネ設備
2.改正概要

・A棟に設置されたB棟・C棟の省エネ性能の向上に関わる部分も容積率に不算入とできるようになります

容積特例イメージ

関連予算に「省エネ街区形成事業」があります。

解説!省エネ街区形成事業ってなに?

対象とするプロフェクトの要件

・建築物省エネ法に基づく複数の住宅・建築物で連携した取り組みに係るエネルギー消費性能向上計画認定を受けていること

・複数の住宅・建築物へのエネルギー供給を最適化するエネルギーマネジメントシステムを導入すること等

補助対象

・複数の住宅・建築物にエネルギーを供給するための省エネ設備(コージェネレーション等)の整備費

・エネルギーマネジメントシステムの整備費等

省エネ街区形成事業の補助率1/2、限度額1プロジェクト5億円
図解エネルギーマネジメントシステム

04.法律の審議経過と今後の予定




2019年
2月15日:閣議決定

4月23日:衆議院において全会一致で可決

5月10日:参議院において全会一致で可決・成立

2019年5月17日:法律公布

   下矢印









概要周知・施行に向けた準備
  概要説明会の開催 / 省エネ基準等の検討・公布 / 政省令・告示の検討・公布

下矢印

2019年11月予定:法公布後6カ月以内施行

容積率特例制度の対象の拡大 / 届出義務制度の合理化 / 住宅トップランナー制度の対象拡大

下矢印

詳細周知・施行に向けた準備等
  詳細説明会の開催等 / 政省令・告示の検討・公布

下矢印

2021年4月予定:法公布後2年以内施行

適合義務制度の対象拡大 / 小規模物件の説明義務制度創設 / 8地域における住宅の外皮基準の合理化

05. 省エネ建築物の主な支援措置

省エネ建築物の主な支援措置(新築)

新築住宅を対象とする支援事業

支援措置の名称 予算 支援対象 主な補助率・補助額等

地域型住宅グリーン化事業(高度省エネ型)

補助

予算:
130億円の内数
対象:
地域の中小工務店のグループの下で行われる省エネ性能に優れた木造住宅の新築
補助率:「掛かりまし費用の1/2
限度額:ZEH 140万円 / 戸
   :低炭素認定住宅 110万円 / 戸 ほか

次世代住宅ポイント事業【平成31年度実施】

補助

予算:
1300億円
対象:
消費税率10%が適用される省エネ性能(省エネ基準相当)に優れた住宅等の新築
30万ポイント※ZEH等の場合は35万ポイント

サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)

補助

予算:
99.8億円の内数
対象:
先導性の高い省エネ化に取組む住宅(主にLCCM住宅)の新築
補助率:「掛かりまし費用の1/2
限度額:125万円/戸 ※LCCM住宅以外は建物に準じる

フラット35S

融資

予算:
対象:
省エネ性能に優れた住宅等の新築
適用金利:年間▲0.25%、5年間
※省エネ基準▲10%の場合は10年間

住宅ローン減税(所得税)

予算:
対象:
長期優良住宅等の新築
一般住宅に比べ、最大控除額を100万円加算【税額控除】

投資型減税(所得税)

予算:
対象:
長期優良住宅等の新築
控除率:10%
最大控除額を65万円【税額控除】

固定資産税、登録免許税、不動産取得税の優遇措置

予算:
対象:
長期優良住宅等の新築
固定資産税:一般住宅に比べ、軽減期間を2年延長
登録免許税:一般住宅に比べ、税率を0.05%~0.2%減免
不動産取得税:一般住宅に比べ、課税標準から100万円控除

サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)

予算:
対象:
住宅購入費用の贈与を受けて行う省エネ性能に優れた住宅等の新築
一般住宅に比べ、非課税限度額を500万円加算

新築建築物を対象とする支援事業

支援措置の名称 予算 支援対象 主な補助率・補助額等

サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)

補助

予算:
99.8億円の内数
対象:
先導性の高い省エネ化に取組む住宅(主にLCCM住宅)の新築
補助率:1/2
限度額:5億円(1プロジェクト)
※住宅事業や改修事業も対象

次世代住宅ポイント事業【平成31年度実施】

補助

予算:
99.8億円の内数
対象:
複数建物の連携により街区全体として高い省エネ性能を実現するプロジェクト
補助率:1/2
限度額:5億円(1プロジェクト)
※住宅事業や改修事業も対象

省エネ住宅・建築物の主な支援措置(改修)

住宅の改修を対象とする支援事業

支援措置の名称 予算 支援対象 主な補助率・補助額等

地域型住宅グリーン化事業(省エネ改修型)
【平成31年度より開始】

補助

予算:
130億円の内数
対象:
地域の中小工務店のグループの下で行われる省エネ性能に優れた木造住宅の省エネ改修工事
50万円 / 戸(定額)

次世代住宅ポイント事業【平成31年度実施】

補助

予算:
1300億円
対象:
窓、断熱材の充実等の断熱改修工事高効率給湯器・高断熱浴槽等の設置工事等
断熱改修:0.2万~10万ポイント / 対象部位高効率給湯器等の設置:0.4万~2.4万ポイント ほか

長期優良住宅化リフォーム推進事業

補助

予算:
45億円
対象:
先導性の高い省エネ化に取組む住宅(主にLCCM住宅)の新築
補助率:1/3
限度額:200万円 / 戸
※省エネ基準▲20%の場合は250万円 / 戸

フラット35リノベ

融資

予算:
対象:
中古住宅購入とあわせて実施する省エネ性能を有する住宅等への改修工事
適用金利:年間▲0.25%、5年間
※省エネ基準▲10%の場合は10年間

省エネリフォーム税制(所得税/投資型)
※別途ローン型もあり

予算:
対象:
省エネ性能を有する住宅への改修工事
控除率:省エネ改修工事費の10%
最大控除額:25万円 / 戸【税額控除】
※太陽光発電を設置する場合は35万円 / 戸

建築物の改修を対象とする支援事業

支援措置の名称 予算 支援対象 主な補助率・補助額等

既存建築物省エネ化推進事業

補助

予算:
対象:
20%以上の省エネ効果が見込まれる既存建築物の省エネ改修工事等
補助率:1/3
限度額:5000万(1プロジェクト)

06. ZEH関連の取組

ZEHの定義(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)

ZEHロードマップにおいてZEHは、快適な室内環境を保ちながら、住宅の高断熱化高効率設備によりできる限りの省エネルギーに努め、太陽光発電等によりエネルギーを創ることで、1年間で消費する住宅のエネルギー量が正味で概ねゼロ以下となる住宅と定義される。

高断熱化 プラス 設備等の高効率化 プラス 創エネルギー
ZEH断熱基準・ZEH一次エネルギー消費量基準 ZEH断熱基準・ZEH一次エネルギー消費量基準

ZEH等の推進に向けた取り組み(平成31年度予算)

経済産業省・国土交通省・環境省が連携して、住宅の省エネ・省CO2化に取り組み、2020年までにハウスメーカー等が新築する注文住宅の半数以上をZEHにし、2030年までに建売戸建や集合住宅を含む新築住宅の平均でZEHを実現することを目指す。

ZEHに対する支援 ZEHに対する支援

07. 既存建築物省エネ化推進事業

環境・ストック活用推進事業

建築物ストックの省エネ改修等を促進するため、民間等が行う省エネ改修工事・バリアフリー改修工事に対し、改修後の省エネ性能を表示をすることを要件に、国が事業の実施に要する費用の一部を支援する。

   ・・・平成31年度要件見直し

事業要件

A 以下の要件を満たす、建築物の改修工事

①躯体(壁・天井等)の省エネ改修を伴うものであること

②改修前と比較して20%以上の省エネ効果が見込まれること(ただし、外皮改修面積割合が20%を超える場合は15%以上 )

③改修後に一定の省エネ性能に関する基準を満たすこと

④省エネ性能を表示すること

事例集への情報提供に協力すること

B 300㎡以上の既存住宅・建築物における省エネ性能の診断・表示

補助対象費用

①省エネ改修工事に要する費用

②エネルギー計測等に要する費用

③バリアフリー改修工事に要する費用(省エネ改修工事と併せてバリアフリー改修工事を行う場合に限る)

④省エネ性能の表示に要する費用

補助率・上限

・補助率:1/3 定額(Bの事業で特に波及効果の高いもの)

・上限:建物5000万円/件(設備部分は2500万円)

※バリアフリー改修を行う場合にあたっては、バリアフリー改修を行う費用として2500万円を加算

(ただい、バリアフリー改修部分は省エネ改修の額以下とする)

支援対象のイメージ

1. 躯体の省エネ改修
・天井、外壁等(断熱)
・開口部(複層ガラス、二重サッシ 等) 等

2. 高効率設備への改修
・空調、換気、給湯、照明 等

3. バリアフリー改修
・廊下等の拡幅、手すりの設置、段差の解消 等

4. 省エネ性能の表示

建築物省エネ法改正後の対象物件表

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